ERA検査と体外受精

体外受精により発育した受精卵(胚盤胞)を着床させるには、受精卵を受け入れる子宮内膜の準備が整っていることが必要です。
ERA検査で着床に最適な時期を知ることで、命を授かる確率を高めることができます。

ERA検査(エラ)とは

ERA検査(子宮内膜着床能検査)は受精卵が着床する確率を高めるための検査です。
子宮内膜が受精卵を受け入れる時期には個人差があります。
ERA検査は子宮内膜を採取して遺伝子レベルの解析を行うことで、着床に適した時期が分かり、受精卵を子宮に戻すのに適した日を決定することができます。
受精卵を何度も移植したけれど妊娠には至らなかったという場合(反復性着床障害)は、子宮内膜の準備が整っていなかった可能性があります。

ERA検査の流れ

・黄体ホルモンを5日間投与
・5日目の子宮内膜の一部を採取
・236種類の遺伝子の働きを解析
・検査結果

なぜ5日目の子宮内膜なのでしょうか?

自然妊娠では、受精卵は5日程度かけて卵管を移動し、着床します。
体外受精の場合は、ホルモン剤を投与することで同じ環境を作ります。
つまり5日目の子宮内膜が「ちょうどよい」「まだ早い」「もう遅い」のどの状態なのかを知ることができます。

EMMA検査(エマ)・ALICE検査(アリス)

EMMA検査(子宮内膜マイクロバイオーム検査)は、子宮の細菌環境が胚移植に最適な状態であるかを判定する検査です。
乳酸菌の割合や他の細菌とのバランスを評価します。

ALICE検査(感染性慢性子宮内膜炎検査)は、慢性子宮内膜炎の原因として特によく認められる細菌を検出することができる検査です。
微生物学的レベルで子宮内膜を評価します。

EMMA・ALICE検査は、子宮内の状態を知りたい、子宮内の環境を整えたいという方を対象に、単独では行わずERA検査と一緒に行います。

まとめ

着床に最適な時期がずれていることに気付ければ、体外受精で発育した受精卵をいつ子宮に戻したらよいか調整することが可能になります。
ERA検査を実施した後、受精卵の移植で妊娠するケースは多くあり、何度も着床しなかった方の場合、妊娠率が約25%向上することが報告されています。
子宮内の環境を知ることは、妊娠に適した土台を整えるために大切なことです。

鍼灸師 有山
最近、何度か移植にチャレンジされて妊娠に至らない場合、ERA検査を受ける方が増えてきていますね。同じ5日目の胚盤胞でも、『着床の窓』がすごく短い場合もあります。その短い『着床の窓』を見極め、的確に受精卵を戻すことで、妊娠に至る方が増えてきていますね。

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