子宮筋腫と不妊

子宮筋腫は妊娠を希望する年代の女性に多く発生する良性の腫瘍です。

多くは無症状ですが、症状が現れる場合には過多月経、月経困難症、不妊が主な症状となります。

そのため、妊娠を希望する女性にとって、子宮筋腫は簡単には見過ごせない疾患です。

今回は子宮筋腫と不妊について詳しく紹介します。

子宮筋腫とは

子宮筋腫は子宮にできる良性腫瘍のことで、特に30~40歳の女性に発生しやすいものです。

約半数は無症状で経過しますが、症状が現れる場合には過多月経、月経困難症、不妊の3つが主な症状として現れます。

女性ホルモンのエストロゲンによって子宮筋腫は大きくなるため、閉経するまでは徐々に大きくなるケースが多いです。

一方、エストロゲンの分泌が減少する閉経後には縮小します。

子宮筋腫の治療

子宮筋腫の治療は、悪性の疑いの有無、症状の有無、妊娠の希望によって患者さん一人一人異なります。

子宮筋腫があっても症状がなかったり、軽度だったりすれば3~6か月ごとに経過観察をし、積極的な治療は行いません。

一方、症状が強い場合に行うのが手術や薬による治療です。

手術ではお腹を大きく開けたり、腹腔鏡で小さな穴を数か所開けたりして子宮筋腫を取り出します。

薬による治療の場合は、ピルを飲んだり、薬で閉経したような状態にしたりして、子宮筋腫を小さくします。

ただし薬による治療は子宮筋腫を根本的に治すわけではなく、さらに妊娠を希望している場合には行うことができない治療法です。

そのため、手術前の一時的な治療や閉経間近の人、すぐの妊娠は希望していない人などに薬での治療を行います。

また、子宮筋腫につながる血管を遮断し、壊死させる治療法(子宮動脈塞栓術UAE)もありますが、将来の妊娠に影響が出る可能性があり、妊娠を希望する人には行えないのが現状です。

まとめ

子宮筋腫は30歳以上の女性の20~30%に見られる疾患です。

症状があまりない場合には経過観察となりますが、不妊などの症状が強い場合には手術や薬での治療が必要になります。

子宮筋腫に当てはまるような症状がある場合には、早めに婦人科を受診してくださいね。

鍼灸師 有山
子宮筋腫の方の中には経血の量が多い方もいます。経血量が多いと、全身に酸素を運ぶための鉄(ヘモグロビン)が多く失われてしまいます。子宮・卵巣の毛細血管を開くには、末端までしっかり酸素を送り届ける”鉄”も大切ですね。

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