子宮頸癌の全体像とHPVとの関係について

子宮頸がんは妊娠適齢期に発症しやすい、子宮頸部に発生する悪性腫瘍です。
初期症状は性器からの出血ですが、子宮癌検診で発見されることも多くあります。
治療方針は患者さんによって異なりますが、早期に見つかれば妊孕性を保てるので、定期的に検診を受診することが大切です。
HPV(ヒトパピローマウイルス)感染によって発症するため、ワクチン接種によって発症リスクを下げることが出来ますが、重篤な副反応も報告されています。

子宮頸がんの概要

子宮頸癌は子宮頸部に発生する悪性腫瘍で、扁平上皮癌が75%、腺癌が23%、その他が2%を占めます。
好発年齢は30~60歳代で、30~40歳代にピークを迎えます。
初期症状は不正性器出血や性交時の接触出血がありますが、前癌病変の異形成や上皮内癌ではこれらの症状は呈さないため、子宮癌検診で発見されることが多いです。
発症の危険因子は①HPV感染に起こりやすい状況②喫煙です。

子宮頸癌の治療は患者さんによって異なる

子宮頸がんの治療は臨床進行期に準じて治療を行うのが原則ですが、次の要素も加味して治療方針を決定します。
・扁平上皮癌か腺癌か(腺癌の方が予後不良)
・脈管浸潤の有無
・挙児の希望
そのため、進行度が同じであっても、患者さんによって治療方針が異なるということが起こります。
手術をする場合でも、子宮頸部の円錐切除や子宮頸部摘出術であれば妊孕性を保つことは可能です。
早期に見つかればこれらの方法で妊孕性を保つことができますが、進行してから見つかると子宮全摘が必要になることもあるので、定期的な子宮頸がん検診の受診が大切です。

子宮頸癌とHPVの関係、ワクチンについて

子宮頸がんはHPVに感染することで発症します。
現在はHPVワクチンが開発されており、初交前にワクチンを接種することでHPV感染リスクを下げることが出来ます。
一方でHPVワクチン接種後に副反応が起こるとの報告もあります。
主な副反応は疼痛や腫脹、発熱、頭痛ですが、まれにギランバレー症候群、急性散在性脳脊髄炎も起こります。
そのため、2019年3月現在、厚生労働省は接触的接種の勧奨を一時的に中止しています。

まとめ

子宮頸癌はHPV感染によって起こる悪性腫瘍です。
子宮頸癌は早期に発見すれば妊孕性を保つことが出来ます。
ですから、定期的に検診を受診し、癌が進行する前に発見することが大切です。
ワクチン接種時は副反応も考慮しましょう。

鍼灸師大津
患者さんは妊活中に頸癌になったことで、不安感でいっぱいになってしまいます。 また、子宮頸癌の手術をしたことで手術前より妊娠維持が難しくなることもあります。 不安な気持ちを取り除くことも治療家が得意とする加療の一つです。 それは声がけだけではなく、解剖・生理を理解した上でアプローチしていく方法です。 さまざまな方法がありますので、一緒に学んでいきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です